任意整理をしたいけど、持ち家がどうなってしまうのか心配、という方も多いと思います。この記事では、任意整理とは何か、任意整理と個人再生の違いは、任意整理で持ち家は残せるのか、について解説していきます。
任意整理とは
任意整理とは、債務額全体を減らしたり、月々の返済額を減らせるように、貸金業者と交渉して、現在の支払いよりも負担を軽くする手続きです。
任意整理の和解交渉は、弁護士・司法書士が代理人となって行います。依頼者の方と毎月支払いに回せる金額について協議し、交渉をしていきます。
任意整理は、自己破産や個人再生などのように裁判所を通す手続きではありません。
貸金業者と交渉し、今後の返済計画を話し合いで決めていきます。
任意整理と個人再生の違い
よく混同される、任意整理と個人再生との違いを解説します。
任意整理
- 裁判所を介さない
- 債務者との任意の話し合いで行う
- 弁護士や司法書士等の専門家に依頼して手続きを進める
- 自分で整理したい債務が選択できる
- 個人再生と比較すると借金の圧縮率は低くい
- 保証人のついている債務を選択しなければ迷惑がかからない
- 家族に知られにくい
個人再生
- 裁判所に申し立てをする
- 個人再生委員の指導のもと手続きを進める
- 全ての債務が対象
- 借金が大幅に減額される(約80%)
- 全ての債務が対象の為、保証人に請求がいってしまう
- 書類等が届く為、家族に知られやすい
任意整理と個人再生は似ているようで、実はこれだけの違いがあります。
任意整理は債務整理したい債務の選択ができるのが、一番大きなメリットとなります。家族や保証人に影響の無い選択が取れるのも強みです。
個人再生は債務が選べず、債務全てが対象になってしまいますが、債務の返済額を大幅に減らす事が出来るのがメリットです。
持ち家はどうなる?
任意整理は自己破産や個人再生のように手持ちの財産を見られることや財産処分されることがありませんので、持ち家がなくなる事はないです。
債権者が和解の際に気にしているのは「ちゃんと返してくれる収入があるのかどうか」ということですので、ご安心ください。
ローン返済が残っている持ち家は、任意整理の際に選択から外すことになります。
任意整理で減らした債務の返済と共に、ローンの返済をしていく事になります。
個人再生では持ち家はどうなる?
一方、個人再生だと、全ての債務が対象となってしまう為、ローンを完済した持ち家に財産価値があった場合は残すのが難しくなってしまいます。
ローン返済が残っている持ち家は住宅ローン特則を利用できる為、次の4つに当てはまれば、任意整理同様に家を残す事が可能です。
- 所有権が申立人にあり、居住目的の家である
- 家が住宅ローン以外の担保になっていない
- 保証会社の代位弁済から6ヶ月以内
- 家に保証会社の抵当権が設定されている
上記の条件に当てはまれば持ち家は残す事が出来ますが、基本的には住宅ローンは減額されず、他の借金が減額されるため、任意整理同様、住宅ローンの残高が多ければ返済が難しくなります。
まとめ
任意整理は他の種類の債務整理と違い、持ち家を残す事ができる手続きです。
しかし、財産を持ちながら手続きできるとは言え、家のローンを払いながら、任意整理後の債務も返済していくことになると、月々の返済額は意外と高くなってしまうことがあります。
合計での返済総額をシミュレーションしてから任意整理すべきかどうかを判断することが大切です。